中学生の学習塾にかかる費用とは
高校受験に向け、中学生が塾に通うには、どの程度の費用が必要なのでしょうか。ここでは、中学生の塾にかかる費用の内訳や、料金を知る際に確認が必要なポイントについて解説します。
■学習塾費用の内訳は入塾料・教材費・講習代が中心
学習塾の費用の内訳は、主に入塾料、教材費、講習代です。さらに、塾によって設備費やテスト代などが追加で必要な場合があり、週の受講数や選ぶ講座によっても、費用に大きく差が出ます。
■学習塾料金を確認する際のポイント
学習塾の料金は、以下の4つのポイントを確認しましょう。
- 指導形態 学校と同じような環境で学ぶ、集団授業や、講師がマンツーマンで指導する個別教室、家庭教師などがあります。
- 授業時間 たとえば、60分・80分・90分など、塾によって一回の授業時間が異なります。
- 週のコマ数 受けたい講座やカリキュラムによって、週何回受講するのかが異なります。
- 返金規定 入会後の受講講座の変更や、入塾自体を取りやめたい場合、塾によって規定が異なります。
上記のポイントにより、学習塾の料金が変わってきます。集団授業、個別指導、家庭教師といった指導形態や、授業時間によって料金が異なるため、詳細をしっかり確認する必要があります。
さらに、入会後何らかの事情で、受講講座の変更や、入塾の取り消しを希望する場合、返金率や申し出の期間などの規定が塾によって異なります。費用の確認とあわせて、確認しておいたほうが安心です。
中学生の学習塾にはどれくらいの費用がかかる?
中学生の塾費用の相場や、集団授業と個別指導の費用、大手塾の料金比較などを解説します。通塾に必要な料金や、相場を知り、入塾を検討する際の参考にしてください。
■中学生の学習塾にかかる費用の平均額
中学生の学習塾に必要な、費用の平均を私立と公立に分けて解説します。公立と私立で費用に差が出る理由にも触れているため、現状を踏まえたうえで入塾を検討しましょう。
学年ごとの費用の違いは?
学年が上がるにつれて、学習塾の費用も上がります。以下の表(※1)では、学年別の費用相場を公立と私立に分けて解説します。
学年 | 公立の平均 | 私立の平均 |
中学1年生 | 約117,795円 | 約120,384円 |
中学2年生 | 約162,548円 | 約140,492円 |
中学3年生 | 約322,386円 | 約170,346円 |
1年生はほぼ同額で、私立が若干公立より上回っています。2年生から金額が逆転し、2年生では約2万円、3年生では約15万円公立が私立を上回り、学年が上がるにつれて公立と私立の差が出てきます。
私立と公立はなぜ差が出る?
公立と私立の費用に差が出る理由は、中高一貫校が多い私立に対して、公立中学の場合、高校受験に向け、学習塾など学校以外の教育費が上がるためです。
公立に通う生徒は志望校に合格するために、学年が上がるにつれて塾の授業回数が増えます。さらに、夏期講習などの特別講習にも参加することで、学習塾の費用も自ずとかかります。一方、私立の中高一貫高は、習熟度別編成や補修など学校の学習についていくための制度があり、その分塾にかける費用を減らせる傾向があるようです。
■中学生の塾費用の相場
中学生の塾代について、高すぎる、払えないかもしれない、と不安になる方もいるかもしれません。ここでは、中学生の塾費用の相場を集団授業と個別指導ごとに、比較しやすいよう記載します。高校受験に向けて、どの程度の費用が必要なのかを理解しましょう。
以下の表では、集団塾と個別指導の料金相場を記載しています。集団授業の塾に比べて、個別指導の料金のほうが高額になる傾向がありますが、受講数や特別講習の組み合わせ次第で、個別でも費用の調整ができる可能性があります。
受講内容や科目数、模試の回数などによって費用は異なるため、料金についてはあくまで概算です。入塾を検討する際は、参考程度にご確認ください。
費用の種類 | 集団授業 | 個別指導1:1 | 個別指導1:2 |
入塾金 | 約1万〜約3万円 | 約1万〜約7万円 | 約1万〜約7万円 |
授業料:月額/年額(週1回で換算) | 約2万円〜約4万円/約24万円〜約48万円 | 約3万円〜約4万円/約36万円〜約50万円 | 約1万円〜約3万円/約12万円〜約36万円 |
夏期・冬期講習 | 約2万円〜約15万円 | 約1万5千円〜約20万円 | 約1万5千円〜約15万円 |
教材費(1科目あたり) | 約0円〜約9,000円 | 約1,500円〜約6,000円 | 約1,500円〜約6,000円 |
模試費 | 約0円〜約3万円 | 約0円〜約4万円 | 約0円〜約4万円 |
費用の総額(週1回で換算) | 約27万円〜約60万円 | 約37万円〜約80万円 | 約15万円〜約58万円 |
■主要な中学生向け学習塾の費用比較
主要な中学生向け学習塾の、費用比較です。個別指導と集団授業それぞれの料金比較を記載します。生徒の目標や予算にあわせて、入塾を判断しましょう。
講座の種類や講座数などにより、費用が異なるため、料金についてはあくまで概算です。参考程度にご確認ください。
個別指導塾の場合
以下の表は、個別指導教室の料金比較です。授業料は、学年を中学3年生で設定し、各塾の最低受講コマ数にて記載しています。なお、料金を比較しやすいよう、授業時間を60分で換算しており、実際の授業時間は()内に記載しています。
各塾の入会費は、無料の塾もあります。月額授業料は、安い塾で1万円程度、高い塾で4万円程度です。受講する講座の種類や口座数により費用は異なるため、講座内容や料金詳細は、直接塾に問い合わせましょう。
個別指導塾名 | 入会費 | 60分あたり | 月額授業料 |
武田塾(1:1) | 約40,000円 | 約7,600円/60分(60分) | 約30,400円 |
トーマス(1:1) | 約25,000円 | 約7,125円/60分(80分) | 約38,000円 |
東京個別指導学院(1:1) | 約49,680円 | 約74,12円/60分(80分) | 約39,528円 |
個別指導塾スタンダード(1:2) | 無料 | 約2,433円/60分(90分) | 約14,600円 |
個別指導キャンパス(1:3) | 約18,000円 | 約1,719円/60分(80分) | 約9,170円 |
城南コベッツ(1:2) | 無料 | 約4,577円/60分(60分) | 約18,306円 |
個別指導のトライ(1:1) | 10,000円 | 約3,576円/60分(120分) | 約28,620円 |
個別指導の明光義塾(1:1) | 無料 | 約2,880円〜/60分(90分) | 約17,280 |
栄光の個別ビザビ(1:1) | 無料 | 約8,640円/60分(80分) | 約34,560 |
スクールIE(1:1) | 約23,530円 | 約4,815/60分(90分) | 約28,890 |
集団指導塾の場合
以下の表は、集団指導塾の料金比較です。学年を中学3年生で設定し、各塾の最低受講コマ数にて記載しています。なお、料金を比較しやすいよう、授業時間を60分で換算しており、実際の授業時間は()内に記載しています。
入会金は1万5千円〜3万円程度で、中には無料の塾もあります。月額の授業料は8千円台から受けられる塾もあり、高額な塾ではSAPIXの約56,600円と、塾によって開きがあります。個別指導塾と同様に、受講する講座の種類や口座数により費用は異なるため、料金詳細については直接塾に問い合わせましょう。
塾名 | 入学金 | 60分あたりの授業料 | 月額授業料 |
プリンス進学院 | 約16,200円 | 約2,880円/60分(45分) | 約25,920円 |
市進学院 | 約15,000円 | 約5,250円/60分(120分) | 約42,000円 |
国大セミナー | 約20,000円 | 約3,313円/60分(60分) | 約26,500円 |
臨海セミナー | 基本無料 | 約3,043円/60分(50分) | 約20,290円 |
湘南ゼミナール | 約16,200円 | 約3,264円/60分(45分) | 約29,376円 |
栄光ゼミナール(少人数) | 約0円 | 約1,529円/60分(165分) | 約16,740円 |
早稲アカデミー | 約21,600円 | 約1,263円/60分(100分) | 約25,270円 |
SAPIX | 約30,000円 | 約2,358円/60分(180分) | 約56,600円 |
駿台 | 約30,000円 | 約3,349/60分(50分) | 約8,375円 |
東進ハイスクール | 約32,400円 | 約2,520/60分(90分) | 約15,120円 |
代々木ゼミナール | 約16,200円 | 約7,000円/60分(60分) | 約28,000円 |
■高額な教育費を捻出するためには?
中学生は、高校受験を見据えた学習をするため、塾の費用がかさみます。ここでは、高額な費用を捻出するために、知っておくと良いポイントについてお伝えします。
学習塾より安い家庭教師を利用
家庭教師と聞くと、自宅でのマンツーマン指導のため、集団塾や個別塾より高いと感じている方も多いのではないでしょうか。
文部科学省のデータ(※2)によると、家庭教師を使っている家庭の年間平均費用は、公立で約79,000円、私立で約117,000円と、意外に安いことが分かります。塾より費用を抑えることも可能なため、家庭教師サービスを視野に入れることをおすすめします。
以下の表では、家庭教師サービスの料金を記載しています。学年を中学3年生で設定し、料金を記載しています。なお、料金を比較しやすいよう、授業時間を60分で換算しており、実際の授業時間は()内に記載しています。
家庭教師サービス名 | 入会費 | 60分あたり | 月額授業料 |
家庭教師のトライ | 約10,000円 | 約4,500円〜/60分(90分) | 約27,000円〜 |
学研 | 約22,000円 | 約4,300円〜/60分(60分) | 約14,640円〜 |
学参 | 約22,000円 | 約4,200円〜/60分(60分) | 約25,000円〜 |
教育ローンを活用
学習塾にかかる費用は、通常講座と特別講習などの費用を換算すると、高額な塾の場合、100万円を超えるケースもありえます。一度にまとめて払うことが難しい場合は、「教育ローン」の活用を検討しても良いかもしれません。
教育ローンとは、教育に関する資金全般に使えるローン商品のことです。具体的には、入学金、学費、教材費、学習塾の費用などに充てることができ、一括で借りて月ごとに返済していきます。金融機関によって、限度額や金利に違いがあるため、申し込む場合は内容をしっかり確認しましょう。
年収に対する教育費の目安は?
中学生の学習塾の費用の確認とあわせて、年収に対する教育費の目安(※3)も知っておけると良いですね。収入と照らし合わせ、入塾を検討する際の参考にしてください。
収入 | 公立の平均年額 | 私立の平均年額 |
400万円未満 | 約393,000円 | 約1,094,000円 |
400万円〜599万円 | 約434,000円 | 約1,127,000円 |
600万円〜799万円 | 約489,000円 | 約1,230,000円 |
800万円〜999万円 | 約512,000円 | 約1,314,000円 |
1,000万円~1,199万円 | 約581,000円 | 約1,329,000円 |
1,200万円以上 | 約628,000円 | 約1,469,000円 |
中学生向け塾の費用相場を参考に入塾の判断をしていきましょう
中学生の学習塾にかかる、集団授業塾、個別指導塾それぞれの料金詳細と、主要な学習塾の具体的な料金をご紹介しました。公立、私立に通っている場合の学習塾にかかる費用の差や、費用を抑えるためのポイント、年収に対する教育費用の相場も解説しました。
生徒の目標や希望、予算などを総合的に考えたうえで、入塾の判断をしていきましょう。
※1、2、3 文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」(参照 2019-07)
各塾の料金記事はこちら
- ITTO個別指導学院
- 英検アカデミー
- 栄光の個別ビザビ
- 英進館
- KATEKYO学院
- 河合塾
- 河合塾マナビス
- 北九州予備校
- 京進スクール・ワン
- 個別教室のトライ
- 個別指導学院フリーステップ
- 個別指導塾スタンダード
- 佐鳴予備校
- サピックス(SAPIX)
- 秀英予備校
- 城南コベッツ
- スクールIE
- 駿台
- 駿台個別教育センター
- 大学受験ナビオ
- 鉄緑会
- 東京個別指導学院
- 東進衛星予備校・東進ハイスクール
- TOMAS(トーマス)
- TOMEIKAI
- トフルゼミナール
- トライプラス
- ナビ個別指導学院
- 能開センター
- 藤井セミナー
- 増田塾
- みすず学苑
- 明光義塾
- メディカルラボ
- 森塾
- 四谷学院
- 代々木ゼミナール
- 臨海セミナー
- 早稲田アカデミー
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