学校を生きる力を育て、夢を実現させる場に
日の出学園中学校は閑静な住宅地の中の、緑に囲まれた所にある共学校です。系列校は日の出学園幼稚園、日の出学園小学校、日の出学園高等学校があります。
中学校のカリキュラムは中高6年間の一貫教育で、「誠・明・和」を校訓として自ら考える力がつくよう、適切な指導計画が組まれています。
学校ホームページによると「誠・明・和」は
明(あかるく):「自分の夢の実現と、周囲の人間の人格を尊重し、社会に貢献しようとする生徒」
和(むつまじく):「集団の中で、相手の立場や気持ちを共感し、お互いを高めあいながら活力ある生活ができる生徒」
をそれぞれ指し、校長先生の言葉を借用するならば、「周囲の人、世界の人々と協調を図りながら、自己の確立を目指す、自己実現を達成できる生徒を育成する」という事が目標に掲げられています。
そして建学以来65年間にも渡って伝統的に守られてきたこの精神に、現在では「夢」という概念を加えて、それぞれの夢の発見から実現までをフォローし、未来への飛躍の場として学校をとらえています。
2018年現在、男子生徒と女子生徒の生徒数はほぼ同数で、中学校全体では271名の生徒が在籍しています。
特徴的な口頭諮問型入試
日の出学園中学校は日の出学園小学校からの内進者もいるので、他の小学校から受験する場合は外部生用という扱いになります。外部生用の入試方法は大きく分けて3種類の入試があります。
1、サンライズ入試
特に特徴的なのは、2018年度の入試から導入された「サンライズ入試」と名付けられた口頭諮問型の入試です。
導入に際して配布された資料によると、出願には漢字検定5級以上、数学検定6級以上、もしくは英語検定4級以上などの定められた資格に合格していることが必要です。
学校ホームページに公開されている試験内容は、一人当たり5分から10分程の時間の中で、与えられた問題に対して口頭で回答し、その回答の様子をビデオ判定して最終合格者を決めるというものです。サンライズ入試の日程は1日間のみですが、回数としては2回行われ、受験者はどちらかを選択します。
2、推薦入試
2つ目は推薦入試です。こちらは12月に行われます。国語と算数の2教科の筆記試験に加えて、作文とグループ面接が行われます。また、受験するためには推薦書の提出が必要です。
この推薦書は小学校の先生、もしくは塾の先生からの推薦のため出願時に書いてもらう必要があります。また、合格した際に必ず入学するという確約文も記載されています。
3、一般入試
3つ目は一般入試であるI期入試とⅡ期入試です。どちらも国語、算数の2教科試験か、理科と社会を加えた4教科試験のどちらかを選択し、加えて面接を行います。
試験日は両方とも1月に行われますが、Ⅰ期とⅡ期の試験日は数日しか違いません。出願時に通知表のコピーが必要であることに注意です。
また、このⅠ期とⅡ期の試験では日の出学園中学校が第一志望の場合には、「第一志望確約書」というのを出願時に出すことができます。こちらも小学校か塾の先生に書いてもらわなければなりません。
成績上位者、つまりそれぞれの入試で上位5%以内の入学生には初年度特待生の資格が与えられます。
また、推薦入試で合格した人にもこの制度の対象となる権利があり、推薦入試合格者もⅠ期の試験を受けなければなりません。この場合に限り、受験料はかかりません。
部活動は高等学校の生徒と一緒に
部活動は放課後から大体18時ぐらいまで練習や活動を行います。
運動部には、野球部、バレーボール部、陸上部、バスケットボール部、硬式テニス部、水泳部、バトントワリング部、剣道部、サッカー部、ソフトテニス部があります。
文化部には、茶道部、美術部、吹奏楽部、写真部、英語部、軽音楽部、生物部、パソコン部が活動しています。
それぞれ、中高一貫教育である特徴を生かし、普段の活動は高校生も一緒に活動しています。運動部の中には県大会に出場するチームもあり、地区大会優勝経験をもつ部もあります。
8割が系列の日の出学園高等学校へ
日の出学園中学校の生徒は学校が定めた進学基準をクリアすることが条件にはなりますが、約8割が日の出学園高等学校へ内部進学します。そのため、学校ホームページにも公開されている進路情報は高等学校卒業後の進路のみになります。
しかし、進路指導は中学生の内から行われ、主に、10年後の自分を考え、職業を意識するためのキャリア教育が実施されます。
中学校の内にまず自分自身を知ること、そして様々な職業を知ることで、「自分の未来像」を描くよう指導されています。それを受けて、高等学校では講演会の開催、進路面談など具体的な指導過程へと入ります。
大学合格の実績には、早慶、GMARCH、国公立大学など各種大学が名を連ねています。
また、海上保安学校や千葉県立農業大学校など大学校への合格者も近年では出てきました。
合格者がでたここ近年の国公立大学には、北海道大学、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学、茨城大学などがあります。
また、私立では早慶、GMARCHの他、学習院大学、成蹊大学、成城大学、明治学院大学、日本大学、日本女子大学、東京女子大学、芝浦工業大学などに合格者を輩出しています。
初年度の納入金は約95万
入学手続き時にかかる費用は、入学金が15万円、施設費が20万円と、入学金よりも施設費に比重を置いています。また、年間の授業料は約26万円ですが、教育充実費などその他の費用を合わせると、約60万円年間でかかります。
よって初年度は95万円ちかくかかると見積もって良いでしょう。
教育充実費以外のその他の内訳としては、学習諸費、図書費、光熱費、生徒会費、旅行費、テスト費、振興費、日出会費が挙げられています。
広く開放的な学園生活
日の出学園の校舎は2008年7月に竣工されたという比較的新しい校舎です。また、小学校、中学校、高等学校が同一敷地内にあり、最新の整備も導入され、生徒の多岐にわたる様々な希望、選択に対応できる環境が整っています。
天窓がついている部屋や、吹き抜けを校舎に取り入れることで、開放感に溢れた空間の中で生徒たちは一日を過ごせます。メディアセンター棟と呼ばれる、図書室とコンピュータ室が入った建物は、小学生から高校生までが出入りします。
アリーナも大きなアリーナと、小学校用のアリーナの2つを完備し、屋外プールは水深調節機能がついていて、生徒に合わせて使用することができます。
中学校の行事には、体育祭や、日の出祭と名付けられた文化祭の他、臨海学校、軽井沢での合宿、創作ダンス発表会、英語のスピーチコンテストなどがあります。
また、学習指導については、最後の1年間(6年生)を大学受験のための演習の時間に充てるため、先取り学習を展開しています。
そのため、各個人の理解度に差が出やすい数学と英語に関しては早い段階、中学2年生の段階で、習熟度別の少人数教育を行います。
また、近年の情報化社会に対応できるよう、ICT教育を「ICT『で』教える」ではなく「ICT『を』教える」として捉え、iPadやプロジェクターを使用した教育を展開するだけでなく、情報化社会との関わり方そのものをレクチャーしていく姿勢が取られています。
新しい教育の先駆け
日の出学園中学校は、幼稚園から高等学校まで併設されているという珍しい構造をもつ学校です。ある程度の使用施設は分けられているものの、幅広い年齢層との交流があります。
学校独自の口頭諮問型の「サンライズ入試」は、2018年に導入され、資格の合格条件もあるせいか出願者はまだ少ないものの、思考力、判断力、表現力をみる新しいタイプの試験で、この先注目される入試方式になる可能性もあります。
この入試方式に限らず、新しい意味でのICT教育、開放的な学習環境と、日の出学園には、これから徐々に教育界に新しい風を巻き起こす要素がたくさん詰まっています。
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