静かな学習環境の中行われる中高一貫教育
八千代松陰中学校は、千葉県八千代市にある共学の中高一貫校です。学校の回りは豊かな自然があふれ、四季折々折々の風景を楽しむことができます。
「学習とクラブ活動との両立を図り、心身の鍛錬を目指す」
「知性と教養を深め、マナーを重んじ、社会に感謝する心を育む」
という3つの教育方針を掲げ、生徒一人一人の個性を伸ばす教育を目指しています。
中学校の生徒は全員が併設校の八千代松陰高等学校へ進学します。
6年間の中高一貫校教育を行うことで、中学校の間は受験に縛られず、のびのびと学習をすることができます。
また、基礎力から応用力までしっかり定着させるため、早いうちから習熟度別のクラスによる授業を展開しています。男女比はほぼ同数で、中学校には約650名の生徒が在籍しています。
推薦入試は2通り~自己推薦と学科推薦
八千代松陰中学校の入試は、大きく分けて2つ、細かく分けると3つあります。
■推薦入試
自己推薦
まず12月に推薦入試が行われますが、自己推薦方式と学科推薦方式に分かれます。
自己推薦は、国語と算数の基礎学力試験に加え、自己推薦書、6年生の時の通知表、そして面接の結果を総合的に判断されます。
他の学校に比べ特徴的な事は、面接は受験生本人だけではなく、保護者も同席しなければならないという点です。
学科推薦
例年自己推薦の試験の翌日に行われているのが学科推薦です。
こちらの学力試験は、国語と他1教科の試験によって行われます。
受験生は算数、理科、社会、英語から1科目選択します。
そして学科推薦の試験でも受験生、保護者への面接が行われます。
特例として、英検4級以上を取得している場合は学科試験が免除されます。
これらの推薦試験で全体の合格者のほぼ半数が決定します。
■一般試験(全4回)
そして、残り半数の合格者を決めるのが1月から2月に行われる一般試験です。
回数は全部で4回あり、第1回と第2回の入試で、残り半数の約9割が決定されます。
それぞれ学力試験のみですが、各回によって受験科目が異なります。
まず、
・第1回と第2回は必須科目の国語、算数に加え理科、社会、英語から1教科選択の計3科目の学力試験が行われます。
・第3回の試験は必須科目のみの2教科による学科試験、もしくは、第1回、第2回と同様の3教科による学力試験から選択します。
・第4回の試験は必須教科2教科のみの学力試験が行われます。
全国大会出場経験を持つ部活が多数
部活動は文武共に盛んですが、特に運動部は全国大会への出場経験をもつ部活が多く、強豪チームとして知られています。
例えばここ3年間だと、野球部、男子硬式テニス部、女子硬式テニス部、男子バスケットボール部、新体操部、レスリング部などです。
特に野球部は、創立2年目にして全国選抜高校野球大会に出場を果たした高校の野球部への入り口としてもその実力を中学校の内から全国に名を馳せています。
その他の運動部には、水泳部、卓球部、剣道部、柔道部、男子バレーボール部、女子バレーボール部、女子ソフトボール部、男子サッカー部、女子サッカー部、陸上競技部が活動しています。サッカー部やソフトボール部に女子のチームを持っている数少ない学校です。
文化部では合唱部、美術部、囲碁将棋部、華道部、茶道部、手芸部、園芸部、英語部、科学部、吹奏楽部、演劇部が活動しています。
学校ホームページに掲載されている活動報告によると、合唱部や吹奏楽部は各種コンクールに出場するほか、地域のイベントでも演奏の機会を多く持ち、地域に根付いた活動を行っています。
茶道部は宗徧流の作法を学び、華道部は小原流の生け花を学んでいます。
効率的な中高一貫教育が実を結ぶ輝かしい合格実績
前述したとおり、八千代松陰中学校の生徒は皆、系列の八千代松陰高等学校へ進みます。
学校ホームページには「他校の受験ができるか」というQ&Aが載っていますが、その回答として「6ヵ年中高一貫教育のため、他校受験を想定した指導を行っていない」としっかり明記されているほどです。
6年間の中高一貫教育を通して、先取り学習による効率的な教育により、国公立大学、難関大学等、多くの現役合格者数を出しています。
よって公開されている進学情報は大学の合格実績が主になります。
中学校の内に、基礎学力をつけ、知的好奇心を引き出し様々な分野を学びます。
高校ではそれをベースとして職業研究から始まり、学部や学科研究、そして大学研究と、大学受験に向けて徐々にステップアップしながら進路を定めていきます。
近年の合格実績には、
・東北大学
・茨城大学
・筑波大学
・お茶の水女子大学
・東京大学
・東京外語大学
・東京学芸大学
・横浜国立大学
などが挙げられています。
また、私立大学では早慶、GMARCH、日東駒専等、多い大学では2桁から3桁の合格者数をたたき出しています。
八千代松陰高等学校は、中学校からの内部進学者約200名に対し、400程の外部からの入学者がいますが、全体で8割近い生徒が4年制大学への現役合格、並びに進学をしています。
学費について
入学の手続き時に支払う納入金は、入学金が17万円、施設費が14万円の計31万円です。
また、入学後、学費として月額約3万8000円かかります。
その他、別途制服の費用などが掛かりますが、八千代松陰中学校の制服は、男女ともに制服は上下で約4万円、ワイシャツとブラウスがそれぞれ約4000円、ネクタイとリボンが約2000円、指定靴下に訳1000円かかると公開されています。
1年生の時から習熟度別のクラス編成
八千代松陰中学校では、1年生の時から3~6段階の習熟度別のクラス編成による授業を行います。
他の学校によくある、生徒の理解度に差が出やすい数学と英語だけでなく、国語、理科、社会までも習熟度別に分かれて授業を行っているのが特徴的です。
そして、中学2年生からは高校の特進コースへの進学を目指すLRA・Bというクラスが習熟度の階級に加わり、中学3年次には高校1年の学習内容を先取りします。
また、補習や小テストなどの学習サポートもしっかり行われ、8月上旬に3年生の希望者を対象とした、3泊4日の勉強学習が行われます。
普段の昼食時には家から持ってきたお弁当を食べる生徒の他、校内のカフェテリアや購買のパン販売を利用することもできます。
八千代松陰中学校には、校風である「さわやかな印象」「はつらつとした行動」「ひたむきな姿勢」を基盤とした、コミュニケーション重視の教育プログラムが組まれています。
このプログラムはESP(Ethical Study Program)と呼ばれ、多面的に豊かな人間性を養う事が目的とされています。
また、ニュージーランド、オーストラリア、大韓民国に姉妹校を持ち、3年生の希望者を対象に親善訪問も実施しています。
夏には部活動を体験できるオープンスクール
推薦入試に面接があり、学校生活では習熟度別のクラスが開かれ、とだけ聞くとどこの私立中学校でも大抵やっている事のように思えますが、いざふたを開けてみると、入試の面接には保護者の同伴が必要であったり、習熟度別のクラスは主要5教科すべてを1年生の時からクラス分けしていたりなど、学校独自の特色が随所に現れています。
現役の大学進学率が高いだけでなく、部活動も全国大会へ出場するチームが多いなど、まさに文武両道の学校です。
因みに、毎年9月以降に中学校の入試説明会が開かれる他、説明会以外でも一部日程を除いて7月以降学校見学が受け付けられています。
また7月と8月にはクラブ活動を実際に体験できるというオープンスクールも開催されています。
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