四季を感じられる風情ある勉学環境
成田高等学校付属中学校は、成田山新勝寺や成田公園に囲まれている自然豊かな土地にある共学の中学校です。
季節ごとに風景が変わり、四季の移り変わりを感じられる環境です。
学校の歴史は非常に古く、明治20年に成田山新勝寺の修業の為の塾として創立されたのが始まりとされています。
学校ホームページに公開されている沿革によると、この塾は明治31年に閉鎖され、その年の10月7日に改めて修業年限5年の旧制私立成田山女学校として設置許可を得て、この日が創立記念日となっています。
「文武両道」を校是として、「行き届いた教育により生徒の全体的な発達を促す」という教育方針が掲げられています。
中でも、「礼節を重んじたコミュニケーション能力の育成」「自発的に学ぶ態度の育成」「社会に貢献できる人材の育成」を視点に生徒の育成が目指されています。
各人の夢を個人のものだけにとどめず、将来像を描くことでさらに高い志へと成長できるよう指導されています。
併設校に成田高等学校、成田高等学校付属小学校があり、中学校から高校卒業までの6年間は大学受験を視野に入れた中高一貫教育が行われています。
専願入試と併願入試が選べる
入試の方式は大きく分けて2つあります。
1つ目は専願入試である第一志望入試
第一志望入試は12月に行われます。専願入試ですので、合格したら必ず入学するという条件のもと出願できます。
2つ目は1月に行われる一般入試
こちらは専願か併願かの方式を選ぶことができます。専願として出す場合は第一志望入試と条件は変わりませんが、合否判定に優遇措置が取られるので、併願で出すよりも合格する確率は高くなります。
■試験方式
どの試験でも、国語、算数、理科、社会の学力試験で判定されます。国語と算数が100点ずつの配点でそれぞれ50分間の試験、社会と理科は50点ずつの配点で、試験時間は2教科合わせて50分で行われます。
下敷き、定規、分度器、コンパスの持ち込みは認められていません。出願は第一志望入試が11月中旬から、一般入試は12月中旬から始まります。
合格発表は試験日の次の日ですが、その分合格手続き締め切り日も早いので注意が必要です。一般入試の併願で申請を出している場合は、入学手続きの締め切りは1か月ほど長くなります。
様々な分野の部活動
付属中学校の部活動は「校友会」と呼ばれています。
運動部には野球部、バレーボール部、水泳部、弓道部、剣道部、柔道部、陸上競技部、卓球部、バスケットボール部、バトン部、サッカー部、ソフトテニス部があります。
平成29年度の主な実績としては、ソフトテニス部がかなり目立った成績を納めています。中学校総合体育大会ブロック予選に個人優勝、新人ソフトテニス大会団体優勝、第二ブロック1年生ソフトテニス大会個人優勝を獲得しています。
文化部には科学部、英語部、華道部、写真部、美術部、書道部、インターアクト部、演劇部、音楽部、競技かるた部があります。
また文化部では音楽部の活動が目覚ましく、リヴァ兼吹奏楽祭への推薦出場、千葉県吹奏楽個人コンクール地区予選で、フルート部門において金賞並びに代表の座を勝ち取っています。
中学校の部活として紹介されていますが、中には中学生の入部者がいなくて、高校生のみで運営されている部活もあるようです。大抵の部活は行内で練習や活動を行いますが、競技かるた部の様に、学校近隣で開かれる練習会などを利用して練習を行うこともあります。
ほぼ全員が内部進学
付属中学校の生徒は原則とし全員が内部進学によって成田高等学校へ進学します。しかし、内進規定があり、それらを満たすことが条件になります。
これは付属中学校の入試要項にも説明がされており、内進規定の詳しい規定は明らかにされていないものの、成田高等学校へ進学することを前提とした教育がされているという事が出願の段階から読み取れます。
成田高等学校には、推薦入試、一般入試によって他の中学校からの生徒も入学します。特進クラスもあり、部活動等への参加制限が設けられますが、東京大学を初めとする 難関史国立大学への入学を目指すコースです。
付属中からの生徒たちはこういった外部生と同じクラス編成には入らず、付属中生だけのクラス編成が独立して行われます。それは入学時だけでなく、3年間高校からの入学生達とは別のクラスになります。
こうすることで、高校での学習を見据えて付属中学校で行われる中高一貫型のカリキュラムが身を結びやすくなります。
こういった工夫は高等学校の大学進学実績にも現れており、お茶の水女子大学、東京医科歯科大学、東京学芸大学、大阪大学などといった有名国立大学の合格、慶應義塾大学、明治大学、青山学院大学などの難関私立大学への合格につながっています。また、防衛大や防衛医大などの大学校の合格の実績も残しています。
成田山新勝寺による学費援助
成田高等学校付属中学校は、成田山新勝寺の浄財によって多額の援助が受けられています。そのため、学校への納入金は他の私立中学校に比べてかなり少なくなります。
まず、入学時にかかる費用として、入学金が120,000円、施設維持費として100,000円、PTA入会金、校友会入会金がそれぞれ1,000円ずつ、計222,000円かかることになります。
また毎月の納入金は44,400円で、内訳は、授業料が26,000円、施設維持費が7,000円、校友会費2,000円、PTA会費2,000円、積立金が6,300円、実験実習費、図書費などその他で1,100円となっています。
高校生になると、成績優秀者への奨学金の給付があります。また、中学3年次にはタブレットPCの購入のため、別途費用が必要になります。
高校2年生までに全課程修了
成田高等学校付属中学校のカリキュラムは、完全6年制のカリキュラムが組まれており、英語と数学に関しては中2までに中学課程の単元を、高2までに高校課程の単元をすべて習得させるように組まれています。
土曜日も3時間授業を行うことで、3年間の週当たり合計授業時間を100時間以上とることが可能となり、大学受験に必要な主要五教科の指導に力が入っています。
また、国語を現代文読解と文法・古典に分けたり、理科を物理と化学を理科1、生物と地学を理科2とするなど、分野によって1つの科目を2つに分けたりという工夫がされ、高校への学習によりつながる内容理解が目指されています。
1日の授業は10分間の読書タイムからスタートして、1日の終わりには10分間の道徳の時間が設けられています。また、自習室兼図書館であるラーニングセンターは朝7時から使うことができます。学校行事には「葉牡丹祭」と呼ばれる文化祭や、林間学校、京都、奈良への修学旅行、希望者を対象としたカナダやアメリカでの語学研修などがあります。
伝統は守り、しかし新しい教育を
成田高等学校付属中学校は明治時代から続いている建学の精神と伝統を守り抜き、それを現代社会に送り出す子供たちにも役立つよう噛み砕き、伝統的かつ時代に合った教育が展開されています。
特にタブレットPCを学習に取り入れることで、各題材を深く学べるだけでなくICT化が進む社会への対応力を育てる教育を展開しているという事はその象徴とも言えるでしょう。
中学3年から選抜クラスと一般クラスに分けることで習熟度別で各生徒にあったフォローが行われ、高校3年次の目標の自己実現に向けた6年制教育が一貫して行われています。「夢に止まらず、志を高く」という学校長の言葉をモットーに生徒の自己実現に向けて取り組んでいる学校です。
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