千葉県の公立高校受験を考えている中学生のみなさん、こんにちは。
みなさんは、本番の「入学試験」の点数以外にも、とても大切な合格の基準があるのはご存知でしょうか。中学3年生の皆さんは当然知っていると思いますが、それは中1・中2のうちから対策をしていくことがとても大切な点数なんです。
そう、それは「内申点」。それぞれの都道府県や高校によって本番の試験と内申点の重視する割合は異なりますが、各自の志望校に合わせて合格基準となる内申点の目安を知っておくことはとても大切です。
本記事では、「千葉県」の公立高校受験における内申点の考え方、また合格基準の内申点を学区別にまとめました。ぜひ志望校選びの基準・学習の指標として役立ててくださいね。
【千葉県公立高校】公立高校受験における内申点の重要性
まずは高校受験において、なぜより高い内申点を取ることを目標とすべきか、というお話からさせていただきます。すべての公立高校志望者に共通して言えることかと思いますので、しっかり確認してください。
■内申点を早いうち(中1〜中2)から意識することの重要性
千葉県に限らず、特に公立高校の入試においては、内申点を意識することは非常に大切です。次の3つのポイントから、「内申点を取っておくことは受験対策において重要である」ということがわかっていただけるかと思います。
1. 日頃の「提出物」や「授業態度」なども内申点に反映される
とくに「期末テストなどでなかなかいい点数を取れない…」という悩みのある方。そんな方は特に、「授業態度」「積極性」が成績=内申点に反映されるということを忘れないでください。
まずは通知表の評定ではない部分をよく見てみてください。(もちろんすぐに各科目の数字に注目したくなってしまうのもわかりますが…)
「授業態度」「提出物」など、科目ごとに内申点の内訳として細かい項目に分かれていますね。実はこれらの「授業への参加態度」と「テストの点」が合わさって、内申点の「3」とか「4」という数字に反映されているのです。
主に
・提出物
・授業態度
この2点が内申点を取っていくためには特に大切な評価項目です。ここを落とさないようにしていきましょう。
例えば、「提出物を必ず期日までに提出する」ことができれば、それだけで内申点の加点対象になるんです。これってすごくお得なことだと思いませんか。つまり内申点は「テストの点」それだけで決まるわけではないということを強くお伝えしたいです。
「きちんと授業に取り組んでいるかどうか」などという点も、先生はきちんと評価しています。細かいところに内申点の加点対象がありますから、テストが取れないからといって、諦めずに頑張ることが重要だと思います。
いわゆる実技科目、体育・音楽・技術・家庭は特に、テストの点数だけでなく参加態度もみられます。苦手でも積極的に参加しましょう。
2. 高校入試の範囲は中学で習う全範囲! 3年生になってからやり直すのは大変
意外と気づいていない方も多いかと思いますが、高校入試は中学1年生から3年生までに習った全てが試験範囲です。
もう気づきましたか? だから1年生の最初からコツコツと取り組んだ生徒が最後には勝つ確率があがるんです。いざ受験生になり勉強に本腰を入れようとしても、1年生のときに真面目に取り組んでいなければ最初からやり直しです。
膨大な入試範囲を一から勉強し直すのはとても大変なことは簡単に想像できると思います。受験勉強はインプット(暗記)はもちろん、アウトプット(演習)にどれだけ時間を割けるかもポイントとなってきます。
「1年生の復習から勉強しなおしていたら、数学の過去問演習をする時間が足りなくなってしまった。」
そんな事態にならないためにも、早いうちから基礎を積み上げておくのがおすすめです。そのためにはやはり、普段の授業に真面目に参加するのが一番ですし、その結果、内申点も自然とついてきますので一石二鳥です。
3. 公立高校の試験範囲は、あくまで「教科書の範囲」
公立高校の入試では、試験範囲は「授業、教科書の範囲内」となります。ですから、学校で習った範囲をきちんと理解していれば、必ずかなりの高得点を取ることができます。
もちろん一部、教科書以上の応用力の試される「とても難しい問題」も出題されます。しかしそういう問題は、地域トップ校(千葉県なら県立千葉高校など)を受験する上位層の生徒たちが対象なんです。
その問題を解けるか解けないかというところで差をつけさせるために作られていると言っていいでしょう。つまり、ほとんどの生徒(=地域トップ校を志望していない生徒)は解く必要のない問題なんですね。
そういう一部の生徒しか解く必要のない問題を別にすると、教科書をきちんと理解してさえいれば必ず高得点を取れます。だから、基礎=学校の授業をきちんと聞いておきましょう、ということなんです。そんな真面目な態度が内申点にもつながっていくことは、もう言わなくても理解できますよね。
■千葉県公立高校の内申点の取り扱い
千葉県では内申点は中学1年生から考慮されますので、特に早めの対策が重要となります。
つまり、受験生になって初めて内申点の重要性に気づいても取り返しのつかないこともあるということです。受験学年になっていざ行きたい高校が出てきた時、1〜2年生の時の内申点に足を引っ張られてランクを下げなければいけないなんて悲しすぎますよね。
トップ校を狙う方ならなおさら、内申点にもきちんと意識を向けることが重要です。
千葉県の公立高校入試の合否は基本的に
入試点(5科×100点=500点満点)と内申点(9科×内申点「5」×3年=135点満点)の合計(650点満点)
で決まります。
※この比率は高校によっては異なることがあります
もちろん、内申がいくらよくても当日入試点がとれなければ入試+内申の合計点が足りませんので合格には至りません。
逆をいうと、千葉県公立高校の入試においては、内申点が多少よくなくても本番の入試で頑張って得点すれば合格の可能性があるということです。
千葉県公立高校受験の入試と内申の配点の比率は入試が500点:内申点が135点と入試点を重視する傾向にはありますが、1〜2年生のうちからきちんと内申点の対策をしていきましょう。
■【例外】千葉県において、内申点を「135点以外」に設定している公立高校の例(2018年前期入試)
千葉県内でも、一部の高校は内申点の比重を135点とは異なる点数に設定しています。内申点より入試を重視する高校、またその逆に内申点がとても重要な高校もありますので注意してください。
内申点が基準点(135点)とは異なる公立高校の例(2018年前期入試)
内申基準点 | 高校名 |
40.5 | 長生(普・理) |
54 | 千葉東 |
67.5 | 船橋(普・理) |
135 | 標準 |
142.5 | 東金(国) |
157.5 | 市立松戸(国) |
270 | 鎌ヶ谷西、沼南高柳、千城台、冨里、船橋東、四街道北 |
上記の表で135より少ない数字の高校は、内申点より入試を重視する傾向にあるといえます。
とくに長生高校は入試点500+内申点40.5の設定なので、かなり学力を重視しています。
入試点数:内申点数の比重については各高校のホームページでも確認できますので、自身の志望校について必ず確認しておきましょう。
もし入試を重視する高校であっても、「入試も内申点でも同じ1点」には変わりありません。
内申点で合否がわかれるかもしれないということを念頭に置いておくことが重要です。
【ミニコラム】内申点をあげるコツ?
高校受験の内申点について、わたし自身が高校受験をした時の体験談をお話ししたいと思います。当時わたしは某難関校(内申点は最低でも「41」ないと受験することが難しい)を志望しておりました。
しかし、ここで一点問題がありました。体育がとても苦手だったんです。今でも運動は全然得意ではありません(笑)
でも、体育は当然内申点に含まれてしまいます。実技テストなんて、特訓しても人並み以下しかできる自信がありませんでした。でも例えば体育が「3」になってしまうと、他の教科でオール5を取るつもりで取り組まないと志望校の合格圏偏差値にはなりませんよね。
さすがに他でパーフェクト(オール5)を取れるほど優秀ではありませんでしたので、以下のことを実践しました。
1. 苦手な教科ほど、授業に真面目に参加して「やる気」をアピール
個人的な意見ですが…。
もしまわりが「サボったり、やる気がない感じでいるのがかっこいい」という風潮でも気にせずに、真面目に取り組む人がかっこいいと思いますよ。
2. 志望校は早めに担任などの先生に伝える
先生も受験生を何百人もみてきたプロですから、志望校を伝えれば必要となる内申点はわかります。主要教科がその高校の水準に達していれば、苦手な実技教科については考慮してくれる可能性もあると思います。
もちろん先生にもよると思いますので、確実な方法ではないです。でも、試してもいいと思っています。先生だって、生徒にはなるべくなら希望の高校に行って欲しいと願っているはずですから。(進学実績的にも…)
つまり、実技教科が致命的に苦手な場合は、まずは主要5教科をきちんと頑張っていい成績をとる。あとは、苦手科目も真面目に授業を受ける。そうすれば、難関校志望の生徒に「3」をつけるような先生は当時いなかったと記憶しています。
これらのちょっとずるい取り組みの結果(笑)、わたしは苦手な体育も「4」をキープすることができました。
到底「4」を取れる実力はなかったと思いますから、当時の先生方の優しさだと思います。結果志望校にも合格できましたし、とても感謝しています。
内申点は、入試のように当日の調子や体調に左右されることがありません。誰もが必ず手にすることのできる点数ですから、稼いでおかない手はありません。
特に難関校を志望の方はダメもとでもチャレンジしてみる価値はあると思います。
千葉県公立高校 内申点基準のまとめ
千葉県の公立高校の内申点基準を見ていきましょう。
表記の内申点は、すべて9教科・45点満点での数値となります。
志望校の「合格基準内申点」が、目標とする内申点数の目安です。また確実な合格を目指すなら、下記表において「合格者最多内申点」の数値を目指しましょう。各高校の合格者の内申点を平均した数値(推定)です。
千葉県の公立高校は、9つの学区に別れています。各自の住んでいる地域によって、受験できる高校・できない高校がありますので注意してください。
これをふまえた上で、ご自身の受験可能な学区の内申点基準を参照し、高校選びに役立ててください。
千葉県の全日制普通科の学区は9つの学区に分かれ、自分が住んでいる学区と、となりの学区にある高校が志願できます。
全日制普通科以外の学科と、千葉女子高校・幕張総合高校・木更津東高校は県内のどこからでも志願できます。
(千葉県公式ホームページより https://www.pref.chiba.lg.jp/kyouiku/seisaku/miryoku/gakku/)
(画像引用:千葉県公式ホームページ)
■【第1学区】千葉県公立高校・内申点基準
該当高校:千葉・千葉東・市立千葉・市立稲毛・幕張総合・千葉西・千葉南・千葉女子・検見川・他
高校名 | 合格基準内申点(9科目) | 合格者最多内申点(推定) |
県立千葉 | 39-44 | 41-42 |
千葉東 | 37-42 | 39-40 |
市立千葉 | 36-41 | 38-39 |
市立稲毛(普) | 35-40 | 37-38 |
幕張総合(普) | 33-38 | 35-36 |
千葉西 | 33-38 | 35-36 |
検見川 | 31-36 | 33-34 |
千葉南 | 31-36 | 33-34 |
千葉女子 | 31-36 | 33-34 |
千葉北 | 29-34 | 31-32 |
磯辺 | 29-34 | 31-32 |
千城台 | 27-32 | 29-30 |
土気 | 26-31 | 28-29 |
若松 | 26-31 | 28-29 |
柏井 | 26-31 | 28-29 |
■【第2学区】千葉県公立高校・内申点基準
該当高校:船橋・薬園台・八千代・船橋東・小金・国府台・津田沼・松戸国際・国分、他
高校名 | 合格基準内申点(9科目) | 合格者最多内申点(推定) |
県立船橋(普) | 38-43 | 40-41 |
薬園台(普) | 36-41 | 38-39 |
船橋東 | 35-40 | 37-38 |
小金(普) | 35-40 | 37-38 |
八千代(普) | 35-40 | 37-38 |
国府台 | 33-38 | 35-36 |
津田沼 | 32-37 | 34-35 |
松戸国際(普) | 32-37 | 34-35 |
国分 | 32-37 | 34-35 |
市立習志野(普) | 30-35 | 32-33 |
市川東 | 29-34 | 31-32 |
船橋芝山 | 28-33 | 30-31 |
船橋啓明 | 28-33 | 30-31 |
松戸六実 | 28-33 | 30-31 |
市立船橋(普) | 27-32 | 29-30 |
県立松戸(普) | 27-32 | 29-30 |
市川昴 | 26-31 | 28-29 |
八千代東 | 26-31 | 28-29 |
市立松戸(普) | 26-31 | 28-29 |
実籾 | 25-30 | 27-28 |
船橋二和 | 24-29 | 26-27 |
市川南 | 24-29 | 26-27 |
■【第3学区】千葉県公立高校・内申点基準
該当高校:東葛飾・柏・鎌ヶ谷・柏南・柏中央・柏の葉・我孫子・流山おおたかの森、他
高校名 | 合格基準内申点(9科目) | 合格者最多内申点(推定) |
東葛飾 | 37-42 | 39-40 |
県立柏(普) | 34-39 | 36-37 |
鎌ヶ谷 | 33-38 | 35-36 |
柏南 | 33-38 | 35-36 |
柏中央 | 31-36 | 33-34 |
柏の葉(普) | 30-35 | 32-33 |
我孫子 | 29-34 | 31-32 |
流山おおたかの森(普) | 28-33 | 30-31 |
柏陵 | 27-32 | 29-30 |
市立柏 | 26-31 | 28-29 |
野田中央 | 25-30 | 27-28 |
■【第4、6、7、9学区】千葉県公立高校・内申点基準
該当高校:佐倉・成田国際・成田北・印藩明誠・四街道・成東・ 東金・ 長生・ 茂原・木更津・君津・袖ヶ浦、他
学区 | 高校名 | 合格基準内申点(9科目) | 合格者最多内申点(推定) |
4 | 佐倉(普) | 36-41 | 38-39 |
成田国際(普) | 32-37 | 34-35 | |
成田北 | 27-32 | 29-30 | |
印旛明誠 | 27-32 | 29-30 | |
四街道 | 27-32 | 29-30 | |
冨里 | 25-30 | 27-28 | |
佐倉東 | 24-29 | 26-27 | |
佐倉南 | 24-29 | 26-27 | |
6 | 成東(普) | 32-37 | 34-35 |
東金(普) | 29-34 | 31-32 | |
松尾 | 25-30 | 27-28 | |
7 | 長生 | 35-40 | 37-38 |
茂原(普) | 29-34 | 31-32 | |
9 | 木更津 | 35-40 | 37-38 |
君津 | 30-35 | 32-33 | |
袖ヶ浦 | 27-32 | 29-30 | |
市原八幡 | 26-31 | 28-29 | |
京葉 | 24-29 | 26-27 |
まとめ
本記事では、千葉県の公立高校入試における
・内申点の考え方
・各公立高校の合格基準内申点
の2点についてまとめました。
千葉県の公立高校入試においては内申点と入試の重視される割合は、基本的に入試が500点:内申点が135点でしたよね。
高校受験入試は「受験本番での得点と内申点」で合否を決めるシビアな戦いです。千葉県では入試をより重視している高校が多いため、本番入試での挽回を考える方も多いかもしれません。でも、もちろん内申点を軽く見てはいけません。
中3生のみなさんは、一点でも本番で得点を取るための勉強をすることで合格圏内を目指していく対策をしているかと思います。
ぜひそのときにやって欲しいことがあります。やみくもに勉強するのではなく、「絶対に本番で取らなければいけない点数」を出して、明確なゴールに向けて勉強していくことです。そのために必要な数字が、上記で挙げた志望校別の合格基準内申点です。各自の志望校の基準内申点と自身の内申点との距離を把握すれば、本番の入試で取るべき点数が見えてきますよね。
合格基準内申点に対して十分な内申があるなら、入試で取るべき点数はそれぞれの志望校の目標得点です。もし目標に対して内申が少し足りていない状況なら、内申+入試の総合得点を入試本番で補って合格圏を目指すことになります。同じ高校を志望している他の生徒よりも高い点数をとることを目指さなければなりません。
中3受験生には、このように本番で取るべき点数を算出するツールとして、「合格基準内申点」を使っていくことをオススメしたいです。
中1、中2年生のみなさんは、今できることはとにかく、内申点を取りこぼさないようにしていくことです。
先ほどお話しした通り、みなさんはいま入試に出る範囲内を勉強しているわけです。もちろん3年生になったときに知識を入れ直す必要はあります。
でも、今きちんと授業を聞き、きちんと頭に入れることを目標に勉強していくことで、受験生になって復習する時にかなりのアドバンテージを得ることができると断言できます。そしてその真面目な態度は、内申点にもきちんと反映されているはずです。
また、再度のお話しになってしまいますが、国・数・英・理・社以外の技術科目についての内申点もあとあと響いてきます。3年生になった時に、過去にやる気がなかった自分を後悔してももう後の祭りなのです。
「今は中1/中2だからまだ受験のことはいいか〜」などと思っていても、学校生活は過ぎるのがとても早いものです。後々どうしても行きたい志望校が見つかった時に、内申のせいで合格がかなり厳しいといった状況にならないよう、取れるところはとっておきましょう。
テストの点数をあげる以外にも内申点をあげるコツは存在します。本記事の通知表の見方などの項目を参考にしていただければと思います。
中1〜中2のみなさんは、今のうちにできる受験対策として「内申点」を取りに行くことがとても大切、ということを頭に入れた上で学校生活を楽しんでいっていただけたら嬉しいです。
上記の表で135より少ない数字の高校は、内申点より入試を重視する傾向にあるといえます。
とくに長生高校は入試点500+内申点40.5の設定なので、かなり学力を重視しています。
入試点数:内申点数の比重については各高校のホームページでも確認できますので、自身の志望校について必ず確認しておきましょう。
もし入試を重視する高校であっても、「入試も内申点でも同じ1点」には変わりありません。
内申点で合否がわかれるかもしれないということを念頭に置いておくことが重要です。
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