スケジュール管理を制する者が高校受験を制する!
中学3年生になると高校受験を強く意識する時期になります。
「入試直前に焦って勉強して、実力を発揮できずに志望校に入れなかった。。」
そんなことが起きないように、事前に計画をしっかり立て、余裕を持って受験対策を進めましょう。慣れないうちは難しいかもしれません。
しかし、皆さんの夢を実現するためにも、「高校受験はスケジュール管理を制した者が制する!」そういう気持ちをもって頑張りましょう。
■どれくらいの時間勉強すればいいの?
ある調査によると、中学生の4割近くは学校外での勉強時間(塾や予備校、家庭教師について勉強する時間を含める)を2時間以上確保しているそうです。
これは、小学生や高校生と比べても長い時間勉強していることになります。また、成績上位の学生ほど長い時間勉強しているというデータも出ています。
では、受験を控えた中学3年生の1年間では、どの時期にどれくらいの時間勉強すれば良いかを見ていきましょう。
■1学期は受験の土台作り:日々の授業を大切にしよう。
中学3年生の1学期は部活動もまだ現役。授業と部活動を終えて疲れた体ではなかなか勉強する時間を確保することも難しいかもしれません。
しかし、この時期に頑張ると後が楽になります。この時期は、自宅で1時間—2時間ほど勉強時間を確保するように頑張りましょう。
この時期の目標は、「日々の授業でわからないことをなくすこと」。毎日の宿題や課題をしっかりと行い、理解できていない部分は親や先生に聞いて理解するようにします。
日々の学習で正しい理解ができていれば、受験の基礎が固まっていると言うことです。
■夏休みはまとまった時間が取れるチャンス:中学1、2年生の総復習を完璧に。
夏休みに入ると部活もひと段落し、自分でコントロールできる時間が確保しやすくなります。部活漬けだった学生は一気に自由な時間が増えることでだらけてしまいがちですが、ここで気持ちをしっかり受験モードへ切り替えるようにしましょう。
夏休み期間の勉強時間は、塾なども含めて毎日8時間程度は確保したいところです。
中学3年生の夏休み期間で、1年生、2年生で学習したことの総復習をしましょう。夏休み期間は学校の授業がないので、新しいことを覚えることがない期間。
この時期にしっかり今まで学習した内容を理解しておくことで、受験への基礎力をつけるだけでなく、2学期の勉強もスムーズに進むでしょう。
学習塾に通っている方は、夏季講習で今までの学習範囲のおさらいができます。普段塾には通っていないけれど、自分だけで勉強することがどうしても苦手な方はこの時期の夏期講習だけでも利用すると良いでしょう。
■中学3年生2学期では、自分の目標に合わせた勉強スタイルで:基礎固めが終わったら実践対策を。
夏休みも終わり2学期に入ると学校全体も受験モード突入となります。2学期には、進路や自分の学習状況によって家庭での学習内容を考えましょう。
普段の授業になかなか追いつくのが難しい方は、基礎力をつけるためにも授業の復習と1年生、2年生の学習範囲の復習を中心に行います。
家庭で勉強する習慣をつけるということが非常に重要なので、大変かもしれませんが2−3時間ほどお家で勉強する癖を身につけましょう。進学校を目指す方は、授業の復習に加えて、実践的な受験問題を解く練習をしましょう。
試験時間を想定して、各単元1問ずつでもいいので毎日すこしずつ受験問題を解き、間違えた部分はなんで間違えたのか、問題の解法はなんだったのか、正しい理解をして実力を磨いていきましょう。
■冬休みは受験対策のラストスパート:自分の弱点を克服しよう。
冬休みに入ると、いよいよ受験対策もラストスパート。この時期に1学期からスケジュール通りに勉強を進めていればリラックスした状態で受験の最後の準備ができます。
逆に、今までスケジュール通りに勉強していなければ、この冬休みで復習しなければいけないこと、受験対策の多さにうんざりしてしまい、モチベーションも下がってしまいます。
そういったことにならないように、冬休みまでに勉強する習慣と今まで学習した範囲の復習はしっかり身についているようにしましょう。
冬休み期間は、1日8−10時間程度の学習時間を確保するようにしましょう。この時期になると実践問題や志望校の過去門を試験時間通りに解いていき、試験のシミュレーションを行いましょう。
また、今まで解いてきた過去問や模擬試験で理解できていない部分の復習を進め、弱点を少なくしていきましょう。
■受験直前は体調管理と勉強のバランスを意識:万全の状態で入試を迎えるために。
受験直前はどうしても不安な気持ちになりがちですが、ここまでスケジュールを立ててしっかり勉強をしていれば不安と同じくらい自信もついてきているはずです。
受験本番で自分が身につけた実力をしっかり発揮できるよう、体調管理をしっかりと行い、体に無理をかけないで勉強を進めましょう。
この時期は風邪やインフルエンザも流行する時期なので、インフルエンザの予防注射も行い、万全の状態で試験に臨めるようにしましょう。
この時期の勉強は、実践問題を解くことと、わからない部分の理解を進めることに集中します。あまり短期間に詰め込みすぎると逆に頭がごちゃごちゃになってしまうので、勉強時間と体を休める時間のバランスをとることを意識すると良いです。
受験シーズンが近づくと、睡眠時間を削って、その分勉強時間を確保しがちになりますが、睡眠時間は受験直前こそ多めにとったほうが良いです。
人間は眠っている間にその日に勉強したことや、その日の記憶を整理して記憶に定着させます。睡眠時間が十分でないとこの作業ができないことになりますので、せっかく時間をかけて勉強しても試験の時には抜けてしまっているなんてことがおこってしまいます。
具体的なスケジュールの立て方
ここまで計画を立てて勉強することの大切さと、時期ごとの勉強時間と勉強内容を見てきました。ここからは、具体的な計画・スケジュールの立て方と進め方を説明します。
■自分の時間割をつくろう
まずスケジュールの基本となる、自分の時間割を作りましょう。1日の過ごし方を思い出して、睡眠や食事、学校や塾へ行く時間を除いた自由時間が1日に何時間くらい、何時から何時まであるのかを見つけます。
受験が近づくと睡眠時間を削ってでも勉強時間を確保する方もいますが、成長期の体にとって睡眠不足は大敵です。
寝る時間をしっかり確保した上で時間割を作るようにします。(個人差がありますが、通常7時間30分以上の睡眠が良いとされています)
上記の睡眠時間・食事時間、学校や塾の時間を除くと、中学生は平均的に3時間程度しか自由時間がない場合も多いです。自由時間をゲームやスマホに使ってしまうと、1日はあっという間に終わってしまうので、そういった遊ぶ時間も計画表に入れて(遊ぶ時間は1時間以内に止めるようにしましょう)、自分の時間をコントロールするようにしましょう。
■教科ごとに勉強する内容を決めよう
時間割を作って勉強時間を割り出したら、次はその時間で何を勉強するかも決めてしまいましょう。仮に1日3時間勉強時間を確保できたとしたら、3時間を3分割して1時間ごとに1つの教科を勉強するように割り振っていきます。
人間が集中力を発揮できる時間は意外と短く、平均20分-30分程度と言われています。なので、1教科の中でも25分勉強して5分休憩するというサイクルを2つ作るイメージが良いです。25分で1単元勉強するといった進め方がオススメです。
■1週間ごとに時間割表を見直す
上の項目で「25分で1単元勉強する」と説明したように、事前にその日にチェックリストを作ることをお勧めします。チェックリストを作ると自分がその日にやることがはっきりとしますので、迷いや焦りがなくなります。
また、チェックリストを消していくと自分がしっかりやるべきことをこなしている実感を持てて、自信につながります。
チェックリストには、なるべく具体的にやることを書くことをオススメします。例えば「教科書の40ページから50ページの問題を解く」「受験の過去問の問い1を解く」「英単語を10個覚える」などといった書き方をします。
初めのうちは自分のペースもわからないので、チェックリスト通りに進まないことも多いかもしれませんが、チェックリストを作り続けていくと自分のペースをつかめるようになりますので、根気よく続けましょう。
■チェックリストを作ろう
時間割表は1週間分つくり、1週間が終わったタイミングで見直した上で次の週の時間割表を作ると効果的です。
自分が立てたスケジュールのどこが予定通りに進んで、どこが予定通りに進まなかったのかを見直すことで、自分の苦手な範囲がはっきりを知ることができ、また、これを続けることでより正確な時間割表を作ることができるようになります。
■前日の復習を忘れない
また、計画の中に前日勉強したことを復習する時間を入れることを必ず行いましょう。人間は新しく学習したものをすぐ忘れてしまうもの。記憶に定着させるためには、翌日に復習することがとても有効だと言われています。
なので、各教科ごとに前日した勉強内容を見直す時間を10分ずつだけでも確保するようにしましょう。これをやるのとやらないのとでは、ケアレスミスの発生率が大きく変わってきます。
通学等に電車を使っている方は、電車の中の時間も有効活用するようにしましょう。
移動時間は、限られた時間しかないからこそ集中力が高まります。スマホでゲームをしたり、LINEのメッセージをチェックするのではなく、前日勉強した内容の復習や英単語の暗記など、短い時間でできる勉強を準備して移動時間を活用しましょう。
移動時間中の勉強も、初めのうちに「何ページから何ページだけやる」と自分で範囲を決めて集中して行うことがオススメです。
早く勉強が終わったら好きなことをする時間にあてるなど、勉強の後のご褒美を決めておくとより集中ができるようになります。
計画は立てるだけでは意味がない!
自分の時間割を作るだけでなく、それを計画通りチェックすることも同じくらい重要です。せっかくたてた計画も、実行できなければ意味がないです。
1週間の終わりに自分が立てた計画と、実際に行った内容を見比べてみて、どこができたか、どこが計画通りに進まなかったのか、進まなかった原因は何だったのかを考えてみましょう。
■計画どおりに進まなかったら
計画が予定通りに進まない場合は、次で紹介することを試してみましょう。
①自分の学習ペースを見つける
計画表を作っていても初めのうちはなかなかスケジュール通りに勉強が進まないことも多いと思います。それは、自分の勉強のペースがわかっていないことが原因の場合もあります。
まずは、決められた時間が自分がやろうとしていたことと実際にできたことを見比べて見るという習慣をつけて、自分の勉強のペースを見つけるようにしましょう。自分のペースが見つかると、ストレスなく計画を進められるようになります。
ただし、あまり楽すぎるペースまで落としてしまうともったいないです。決められた時間集中してギリギリ達成できるくらいの目標を作るのがベストです。
②タイマーを使う
計画通りに進まないもう一つの原因は集中力が続かないこと。集中力を持続させるために、タイマーを使って勉強をするようにします。人間は時間が限られているとわかっていると集中できるようになります。
勉強する時は1回25分とタイマーを設定して、それを目の前においておくとその時間内に終わらせようという心理が働き、集中できるようになります。
③集中を奪うものを遠ざける
集中力を奪うものを自分から遠ざけることも有効です。「勉強中はスマホを自分の部屋でなく、リビングに置いておく」など、自分から集中力を奪ってしまう「時間泥棒」を物理的に遠ざけてしまうと目の前の勉強に集中できるようになります。
④友達と一緒に勉強する
一人だとどうしてもだらけてしまう人は、友達と一緒に勉強することをオススメします。
人は誰かの目があるとだらけづらいものです。友達と計画表を見せ合った上で、その時間でスケジュール通り勉強が進むかを競うゲーム感覚で勉強をするとやる気もアップします。
⑤簡単な問題を最初に持ってくる
人の「やる気スイッチ」は、とにかく手を動かすことで押されることも多いです。難しい問題が目の前にあるとどうしてもやる気は起こりづらいですが、簡単な問題から始めると、いつのまにか集中できるようになっているのです。
なので、勉強の始めには得意教科の簡単な問題を解くようにして、とにかく勉強を始めるハードルを下げることが大事です。
計画を立てて勉強することは、将来にも役に立つ
スケジュールを立てて実行する力は、学生を卒業してみなさんが社会に出た時にもとても大きな力になります。
また、勉強や仕事だけでなく、皆さんの趣味やスポーツなど、好きなことの上達にもとても有効なやり方なので、中学生のうちにぜひ「スケジュールを立てて実行すること」を習慣にしてみましょう。
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