サピックスの時間割の仕組み
料金を解説する前に、まずはサピックスの時間割について理解を深めておきましょう。サピックスでは、学年ごとに授業時間や回数が異なります。また、小学部と中学部で異なる時間割が設定されています。小学部とは小学1〜6年生が対象であり、難関中学受験を想定した校舎です。一方のサピックスの中学部は、小学5年生から中学3年生が対象であり、難関高校受験を想定した校舎です。
以下は、小学部と中学部における各学年の授業回数と授業時間の例です。なお、サピックスでは学力別にコース分けがされており、コースによって時間割が異なります。
小学部
学年 | 授業回数 | 授業時間(1科目あたり) |
小学1年生 | 週1日(2コマ/日) | 45分 |
小学2年生 | 週1日(2コマ/日) | 50分 |
小学3年生 | 週1日(2コマ/日) | 60分 |
小学4年生 | 週2日(3コマ/日) | 60分 |
小学5年生 | 週3日(2コマ/日) | 90分 |
小学6年生 | 週3日(3コマ/日+4コマ/日) | 80分or75分 |
学年 | 授業回数 | 授業時間(1科目あたり) |
小学5年生 | 週1日(3コマ/日) | 45分 |
小学6年生 | 5科目:週2日 3科目:週1日 | 45分 |
中学1年生 | 5科目:週2日 3科目:週1日 | 60分 |
中学2年生 | 5科目:週3日 3科目:週2日 | 60分 |
中学3年生 | 5科目3科目ともに:週3日 | 英数国:180分 理社:60分 |
サピックスが低学年の授業において重要視していることは、学習する習慣を身につけることです。そのため、低学年は45分や50分など短い授業時間を設け、学習に慣れることを目的としています。
一方、高学年や中学生は、中学受験や高校受験を控えているため、比較的学習時間が長く設けられています。特に、サピックスは中学受験に力を入れているため、小学5〜6年生は授業時間、回数ともにもっとも多くなります。また、小学部の6年生は、土曜日に志望校別特訓授業として75分×4コマの授業があります。
学年別料金表
月額 | 年額 | |
小学生 | 約17,000円〜約54,000円 | 約204,000円~約648,000円 |
中学生 | 約33,000円〜約56,600円 | 約396,000円~約679,200円 |
■主要塾との料金比較
サピックスの料金は、他の学習塾と比べて高いのでしょうか。ここでは、難関中学受験向けの小学6年生の料金を比較します。料金を比較しやすいよう、授業時間を60分で換算しています。実際の授業時間は()内に記載しています。
塾名 | 60分あたり | 年額/月額 |
サピックス | 約1,068円~(80分) | 約648,000円/約54,000円 |
日能研 | 約925円(70分) | 約259,200円/約21,600円 |
早稲田アカデミー | 約1,587円(50分) | 約63,480円/約5,290円 |
臨海セミナー | 約2,146円(40分) | 約68,688円/約5,724円 |
サピックスは、日能研と早稲田アカデミーと比べて月額授業料が高く設定されています。しかし、サピックスはテキスト代を含む料金になっているのに対し、日能研や早稲田アカデミーは別途テキスト代が発生します。たとえば、日能研では教材費として最大約29,742円、副教材費として6,134円が別途必要になります。
サピックスの費用は高い?
ここからは、サピックスの詳しい料金についてご紹介します。サピックスの料金の詳細をきちんと理解したうえで、入塾判断をしていきましょう。
■料金の内訳は入室金・授業料・特別講習費など
サピックスの料金の内訳は、入室金・授業料・特別講習費となっています。
まず、入塾した際には、入室金として小学生、中学生ともに30,000円がかかります。入塾時には、2ヵ月分の授業料を納入する必要があり、この授業料にはテキスト代も含まれます。さらに、夏季講習や冬季講習を受講する際にも別途講習費が発生します。
詳しい授業料と講習費は、後述します。
■サピックスの費用詳細は?
ここからは、サピックスの年間授業料、月額授業料、60分あたりの授業料を学年別にご紹介します。地域や教室によっても料金が変動するため、ご紹介する料金はあくまで概算として参考程度にご確認ください。
【学年別】小学部の費用
まずは、小学部の費用について、学年別にご紹介します。以下の表は、小学1年生から小学6年生の授業料です。
学年 | 年間/月額 | 60分あたりの料金 |
小学1年生 | 約204,000円/約17,000円 | 約2,833円 |
小学2年生 | 約216,000円/約18,000円 | 約2,700円 |
小学3年生 | 約240,000円/約20,000円 | 約2,500円 |
小学4年生 | 約450,000円/約37,500円 | 約1,563円 |
小学5年生 | 約570,000円/約47,500円 | 約1,319円 |
小学6年生 | 約648,000円/約54,000円 | 約1,038円 |
サピックスでは、学年が上がるにつれて月額授業料も上がりますが、その分授業の回数も増えるため、60分あたりの授業料は安くなる傾向にあります。
【学年別】中学部の費用
次に中学部の費用です。以下の表は、小学5年生から中学3年生の授業料です。
学年 | 年間/月額 | 60分あたりの料金 |
小学5年生(3科目) | 約162,000円/約13,500円 | 約1,500円 |
小学6年生(5科目) | 約270,000円/約22,500円 | 約1,500円 |
中学1年生(5科目) | 約396,000円/約33,000円 | 約1,650円 |
中学2年生(5科目) | 約534,000円/約44,500円 | 約2,225円 |
中学3年生(5科目) | 約679,200円/約56,600円 | 約2,830円 |
中学部では、学年が上がるにつれ60分あたりの料金が高くなる傾向にあります。特に、高校受験を控える中学3年生は、60分あたり約3,000円近くの料金がかかります。
特別講習の料金
サピックスでは、夏期講習や冬期講習が開催されていて、小学1年生から受講することができます。以下の表は、2019年度の学年別の夏期講習の料金です。
小学部
学年 | 夏期講習 | 開催期間 |
小学1年生 | 約19,000円 | 4日間 |
小学2年生 | 約20,000円 | 4日間 |
小学3年生 | 約48,000円 | 8日間 |
小学4年生 | 約80,000円 | 14日間 |
小学5年生 | 約103,000円 | 20日間 |
小学6年生 | 約189,000円 | 18日間 |
学年 | 夏期講習 | 開催期間 |
小学6年生(5科目) | 約24,000円 | 1ヶ月 |
中学1年生(5科目) | 約90,000円 | 20日間 |
中学2年生(5科目) | 約90,000円 | 20日間 |
中学3年生(5科目) | 約134,400円 | 23日間 |
サピックス中学部の小学5年生は、夏期講習が設けられていません。
■小学4年生から中学3年生まで通ったらいくらかかる?
もし、小学4年生から中学3年生までサピックスに通った場合、一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか。以下は、小学4年生から中学3年生までのおおよその費用を計算した表です。
費用 | 金額 |
入学金 | 約30,000円 |
年間授業料 | 小学4年生:約450,000円 小学5年生:約570,000円 小学6年生:約648,000円 中学1年生:約240,000円 中学2年生:約445,200円 中学3年生:約679,200円 |
合計 | 約3,062,400円 |
サピックスに5年間通うには、約300万円の資金が必要になります。さらに、上記の表は授業料のみの費用であり、夏期講習や冬期講習などの特別講習に通う場合には、追加で費用が発生します。サピックスへの入塾を検討されている方は、通学期間に応じてどれくらいのお金が必要なのかを把握する必要があります。
■苦手教科に絞ってコストダウン
サピックスに通いたいが、費用はできるだけ抑えたいという方は、苦手教科に絞ることでコストダウンをすることができます。
サピックス中学部では、小学5、6年生は1科目から受講が可能です。もし、1科目のみ受講する場合は、月額授業料が約4,500円と非常に安く抑えられます。塾に通いたいが費用を抑えたい方は、まずは子どもの苦手科目を洗い出し、その科目のみ受講することもひとつの手です。
■授業料の納付方法
サピックスの授業料の納付方法は、銀行口座からの引き落としです。利用可能な銀行口座を知りたい場合は、直接教室に確認しましょう。
なお、初回の授業から8日以内であれば、クーリングオフ制度を利用できます。ただし、クーリングオフ制度は、通常授業の入塾者が対象であり、特別講習のみの受講者は対象外です。
料金以外の特徴も確認
ここからは、サピックスの合格実績と評判についてご紹介します。特に難関中学受験や高校受験を検討している方は、合格実績も確認するようにしましょう。
■合格実績
まずは、サピックスの合格実績です。2019年度の小学部と中学部の合格実績をご紹介します。
小学部
開成 | 麻布 | 武蔵 | 桜蔭 | 女子学院 | 雙葉 | 灘 | 筑駒 |
273人 | 183人 | 55人 | 175人 | 125人 | 48人 | 31人 | 73人 |
サピックスでは、開成や灘、桜蔭など難関中学の合格者が非常に多いのが特徴です。特に開成中学への合格者は、日能研や早稲田アカデミーを大きく引き離し、毎年200人以上の合格者を輩出しています。
中学部
灘 | お茶の水女子 | 開成 | 筑波大附 | 東大寺 | 慶應女子 |
1人 | 14人 | 36人 | 10人 | 1人 | 30人 |
中学部でも同様に、開成への合格者数は多く、定員100名に対して36名がサピックス出身です。さらに、難関女子校への合格者数も数多く、慶應女子は30名もの合格者を輩出しています。
■評判・口コミ
サピックスでは、多くの難関校合格者を輩出していることもあり、講師のレベルが非常に高いという意見が多く見られました。生徒一人ひとりの学力や性格を把握し、対応している姿勢が多くの保護者から支持を得ています。生徒の質も高いため、お互い切磋琢磨できる環境が整っていることもポイントです。
一方、一部では授業料が高いという声も見られます。サピックスでは、夏期講習や冬期講習のほかに、公開模試の費用も別途必要になるため、入塾の際には授業料以外の費用もきちんと把握する必要があります。
以下は、サピックスの口コミを一部抜粋したものです。
授業や生徒のレベルが高く、常に学習のモチベーションを保つことができた点。また、適度に厳しい指導によって好成績を維持できた。
レベルごとに3クラスに分けられており、実力主義的な側面があるところ。それによりテストの結果を常に気にする必要があった。
合格実績に裏打ちされた、カリキュラムやテキストの充実ぶりは素晴らしいです。また講師陣の方々からは絶対合格させるという強い想いが伝わってきます。授業が終わった後でも、一人ずつ丁寧に質問に答えてくれるし、時間外でも個別面談をしてくれたりします。
レベルの高いクラスでは講師の質が高く、テキストの構成や難易度などの質や量は大変優れていると思います。夏期講習、冬期講習の詰め込み度合いも相当なものです。
レベルの低いクラスにいると、講師の質が高いと思うことが難しく、テキストの構成が優れていることは理解できますが、必ずしも生徒のレベルにマッチしているとは思いにくいです。
入塾までの流れ
サピックスの入塾には、入室テストを受験する必要があります。テストに合格しなければサピックスに通うことができません。ここでは、サピックスのテスト受験から入塾までの流れをご紹介します。
- 説明会or授業見学 サピックスでは、小学部では入室説明会、中学部では授業見学が開催されています。説明会や授業見学を通じてサピックスの指導方針や学習環境を知ることができるため、できるだけ参加しておきましょう。また、小学部は予約不要ですが、中学部では予約が必要なため注意が必要です。
- 入室テスト 入塾を希望する方は、入室テストに申し込みましょう。入室テストを受験するためには、サピックス公式サイトのマイページへの登録が必要です。まずはマイページに登録し、受験要項や出題範囲を確認しましょう。
- 合否発表 入室テストを受験後、小学部では約10日以内、中学部では約1週間以内に合否が通知されます。合格された方は、入室手続きが行われます。
- オリエンテーション 入塾する際は、オリエンテーションが開催されます。なお、小学部のオリエンテーションは保護者が対象です。オリエンテーションでは、通塾の注意点や学習方針、学習の進め方などの説明を受けます。
- 授業開始 入室テストから約1ヶ月後に授業を受講できます。入室手続きの際に生徒証が交付されるため、生徒証を紛失しないよう大切に保管しましょう。
料金とその他の特徴を理解し入塾判断をしましょう
サピックスの料金、合格実績、評判について解説しました。サピックスは、小学1年生から通学が可能であり、難関中学や高校に向けて長期にわたって指導を受けることができます。
サピックスの授業料は、日能研や早稲田アカデミーと比べると比較的高めの料金が設定されています。その分、授業の質や講師の評判が高く、毎年数多くの難関校合格者を輩出しています。サピックスに入塾したいが料金を安く抑えたいという方は、1科目からの受講も可能です。
なお、サピックスに通うためには入室テストに合格しなければいけません。料金や評判を確認したあとは、入室テストの対策も忘れずに行いましょう。
その他の塾・予備校の料金はこちら
- ITTO個別指導学院
- 英検アカデミー
- 栄光の個別ビザビ
- 英進館
- KATEKYO学院
- 河合塾
- 河合塾マナビス
- 北九州予備校
- 京進スクール・ワン
- 個別教室のトライ
- 個別指導学院フリーステップ
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- 佐鳴予備校
- サピックス(SAPIX)
- 秀英予備校
- 城南コベッツ
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- 駿台
- 駿台個別教育センター
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